
シーズン4を全話視聴したので、ストーリーの流れとポイントをまとめます。シーズン1〜3の重大なネタバレを含みますのでご注意ください。
前シーズンまでのあらすじ
シーズン1でリバース・フラッシュ、シーズン2でズーム、シーズン3でサヴィターと、バリーはスピードスターの宿敵たちと戦ってきました。
シーズン3では、未来の自分であるサヴィターを倒しアイリスを救うことに成功。しかしサヴィターの消滅によりスピードフォースの均衡が崩れ、誰かが身代わりにならなければならない事態に。
バリーは自らスピードフォースの中に入り、アイリスと離ればなれになるという切ないラストでシーズン3は幕を閉じました。
シーズン4の概要
今シーズンの最大の変化は、敵がスピードスターではないこと。メインヴィランは「地上最速」ではなく「地上最高の頭脳」を持つ男、クリフォード・デヴォー(ザ・シンカー)です。
バリーがスピードフォースから帰還する際に発生したダークマターの影響で、バスに乗っていた12人の一般市民がメタヒューマンに覚醒。デヴォーはこの12人すべての能力を奪おうと暗躍し、チーム・フラッシュは「地上最速 vs 地上最賢」という頭脳戦に挑みます。
また、バリーとアイリスの結婚や、新メンバーのラルフ・ディブニーの成長など、明るくユーモラスなエピソードも多く、シリーズの中でも比較的ライトなトーンのシーズンです。
登場人物
バリー・アレン/フラッシュ(グラント・ガスティン) 地上最速のスピードスター。今シーズンでアイリスと正式に結婚する。
アイリス・ウェスト=アレン(キャンディス・パットン) バリーの妻。バリー不在の間にチーム・フラッシュのリーダーとしての役割を担うようになる。
シスコ・ラモン/ヴァイブ(カルロス・バルデス) 空間転移能力を持つチームの頭脳。バリーをスピードフォースから救出する作戦を主導する。
ケイトリン・スノー/キラーフロスト(ダニエル・パナベイカー) 医療のスペシャリスト。もうひとつの人格キラーフロストとの共存を模索していく。
ジョー・ウェスト(ジェシー・L・マーティン) セントラルシティ警察の刑事。アイリスの父でバリーの育ての親。今シーズンでセシルとの間に子供を授かる。
ハリー・ウェルズ(トム・キャバナー) アース2のウェルズ博士。デヴォーに対抗するため自らの知能を強化しようとするが、その代償に苦しむ。
ラルフ・ディブニー/エロンゲイテッドマン(ハートリー・ソーヤー) 今シーズンの新レギュラー。12人のバスメタのひとりで、身体を自在に伸縮・変形させるゴムのような能力を持つ。元私立探偵で、最初はバリーと衝突するが、次第にヒーローとして成長していく。
シーズン4のネタバレ
バリーの帰還
バリーがスピードフォースに消えた後、チーム・フラッシュはアイリスを中心に犯罪と戦い続けていました。しかし甲冑をまとったサムライ型のメタヒューマンが現れ、「フラッシュを出さなければ街を破壊する」と脅迫。
シスコはスピードフォース・バズーカを改良してバリーの救出を決行します。バリーは無事に帰還しますが、意味不明な言葉を繰り返し正気を失った状態でした。しかしアイリスの危機を察知した瞬間に覚醒し、サムライを撃退。新スーツに身を包んだフラッシュが復活します。
このときバリーの帰還に伴って放出されたダークマターが、たまたまバスに乗り合わせていた12人をメタヒューマンに変えてしまいます。この「バスメタ」12人の運命が、シーズン全体の物語を動かしていくことになります。
地上最賢の敵「デヴォー」
クリフォード・デヴォーとは
クリフォード・デヴォーは元大学の歴史学教授。粒子加速器の事故によって脳が超人的に強化され、あらゆることを計算・予測できる「地上最強の頭脳」を手に入れました。
しかし代償として、肉体が脳の活動に耐えきれず急速に衰弱。車椅子なしでは生活できない状態です。ロボット工学の天才である妻マリーズ・デヴォーが開発した高機能車椅子を駆使し、テレポーテーション(ポケットディメンション)などの技術でフラッシュに立ち向かいます。
デヴォーの真の目的
デヴォーの最終計画は「啓蒙(エンライトゥンメント)」。テクノロジーが人類を堕落させるという思想のもと、衛星を利用して全人類の知能をリセットし、自らが「教育者」として人類を導き直そうという壮大な計画です。
そのために必要だったのが、12人のバスメタが持つすべての能力。デヴォーはひとりずつ能力を奪い、最終的にすべてを自分に集約させようとします。
バリー、殺人容疑で逮捕される
戦闘中に川に落ちて死んだかと思われたデヴォーですが、テレパシー能力を持つバスメタのドミニク・ランスの身体に意識を転移して生き延びます。
そして空になったデヴォーの元の肉体を、バリーの自宅にナイフで刺した状態で放置。帰宅したバリーは、クリフォード・デヴォー殺害の容疑で逮捕されてしまいます。すべてデヴォーが仕組んだ罠でした。
バリーの裁判
バリーは自分がフラッシュだと公表すれば無罪を勝ち取れる可能性がありましたが、それを拒否します。正体が明かされれば、家族や大切な人たちがヴィランの標的にされてしまうからです。
結果は有罪。バリーはアイアンハイツ刑務所に投獄されます。奇しくも、かつて父ヘンリーが無実の罪で収監されていたのと同じ刑務所です。
脱獄
刑務所内でバリーの正体がフラッシュだと看守のウルフに知られてしまい、メタヒューマンの密売人アミュレット・ブラックに売り渡されそうになります。バリーは脱出に成功しますが、デヴォーが現れて他のメタヒューマンたちを次々と殺害、あるいは身体を乗っ取ります。
最終的に、変身能力を身につけたラルフがデヴォーに変装して法廷に出頭し「自分は生きている」と証言。バリーの冤罪は晴れ、無事に釈放されます。
名エピソード「フラッシュタイム」(第15話)
シーズン4屈指の名エピソード。テロリストが起動させた核爆弾が爆発し始める中、バリーは「フラッシュタイム」(超高速で動くことで周囲の時間がほぼ静止して見える状態)に入ります。
ジェシー・クイック、ジェイ・ギャリックといった他のスピードスターたちとも協力して対処法を探りますが、核爆発そのものを止めることはできません。
万策尽きたかに思えたその時、アイリスがスピードフォースからエネルギーを引き出すアイデアを提案。バリーはスピードフォースからスフィアを持ち出し、その雷のエネルギーを核爆弾にぶつけて相殺。間一髪でセントラルシティを救います。1話完結でありながら、息もつかせぬ緊張感が続く傑作回です。
ラルフの成長と喪失
ヒーローへの道
ラルフ・ディブニーは、最初は自分勝手で無責任な元私立探偵。バリーとは何度も衝突しますが、ヒーローとしての使命に目覚め、「エロンゲイテッドマン」として成長していきます(当初は自ら「ストレッチマン」と名乗っていました)。身体を自在に伸ばせるゴムのような能力に加え、後に他人の姿に変身する力も獲得します。
デヴォーに奪われた身体
しかしシーズン後半、デヴォーの真の狙いが明らかになります。デヴォーが最終的に欲していたのは、ラルフの強靭で変幻自在な肉体でした。ラルフの身体を乗っ取ることで、脳の活動に肉体が追いつかないという弱点を克服し、さらに12人分すべてのメタヒューマン能力を集約。デヴォーはフラッシュを圧倒する力を手にします。
ハリーの苦悩
デヴォーの知性に対抗するため、ハリーは「シンキングキャップ」というデバイスを作り、ダークマターで自らの知能を強化しようとします。一時的に効果を発揮しますが、やがて副作用で逆に知能が低下し始め、最終的に大切な知識や記憶を失いかけるという代償を払うことになります。知性だけを追い求めることの危うさが、デヴォーとの対比として描かれます。
最終決戦と「啓蒙」の阻止
マリーズの離反
デヴォーの妻マリーズは最後まで夫に協力していましたが、能力を取り込むたびに人間性を失い、冷酷さを増していくクリフォードに耐えきれなくなります。第20話でついに決別し、チーム・フラッシュ側に加わります。
ラルフの逆襲
デヴォーの「啓蒙」が発動し、衛星から全人類の知能をリセットするビームが放たれようとする中、バリーはデヴォーの精神世界に入り込みます。ラルフの「善なる自我」を探しますが、デヴォーの精神世界の中でクリフォードの良心はすでに死んでいました。
しかしラルフは自らの意志で自我を取り戻し、デヴォーの支配を内側から打ち破ります。精神の力ではなく「心」の力でデヴォーに勝利した瞬間でした。
シーズン4のラスト
デヴォーを倒し平穏を取り戻したチーム・フラッシュ。しかし最後に衝撃の展開が待っていました。
シーズン序盤から何度か姿を見せていた謎の少女が、バリーとアイリスの前に現れこう告げます。「私はノーラ・ウェスト=アレン。あなたたちの娘です。未来から来ました。そして――大きな間違いを犯してしまいました」。
未来からやってきたバリーの娘ノーラもまたスピードスター。彼女が犯した「間違い」とは何なのか? その答えはシーズン5へと持ち越されます。
まとめ
シーズン4は、3シーズン続いた「スピードスター vs スピードスター」の構図から脱却し、頭脳戦という新たな切り口でフラッシュを追い詰める意欲的なシーズンでした。
デヴォーの「知性を極めた者が人間性を失う」という悲劇は、ハリーの知能強化の副作用と対をなすテーマとして深みを与えています。一方で、ラルフ・ディブニーの成長物語はシーズンに明るさとユーモアをもたらし、殺人容疑での逮捕・収監からフラッシュタイムの核爆弾回まで、バラエティに富んだエピソードが楽しめます。
そしてラストに登場するノーラの存在は、シーズン5への最大の布石。親子三代のスピードスターの物語がどう展開するのか、期待が膨らむ幕引きでした。

